「水からの伝言」より「天から送られた手紙」
知ってりゃ偉いとか、わかってりゃ偉いとは限らないと思うんだけども、
逆に知らずに威張る奴とかわからずにほえる奴には軽く殺意を覚える。
どうすりゃいいんだろ俺。
ではどういう姿勢が正しいのかって言うとだ。
つまるところ「本当にそれは正しいのかを徹底的に検証する」しかないのでは
ないだろうか。それこそストーカーか犯罪者を追い詰める刑事のように。
例えばである。水になんか語りかけることで影響が出るとしよう。
それはどのような理由でそうなったのか?
仮に「水に「ありがとう」などの言葉を話しかけるときれいな(氷の)結晶が出来る」
という現象が起こることが真であるとする場合、どのような仮説が立てられるのか?
1.量子力学的考察
量子力学の解釈の中に「人間の意志が状態の決定付けを行う」というものがある。
数学者であるノイマンが提唱したものである。
水に「ありがとう」という「意思」が結晶の構造に影響を与えたという解釈である。
2.化学的考察
使用する水が純水であるかどうかなども結晶形成に影響を与える。
実は水の結晶を作る際に「核」がなければきれいな結晶が形成されない。
その「核」になるのが「ありがとう」という言葉を投げかけた際の人間から
発せられた化学物質であるかもしれない。
逆に汚い言葉を発するときには違う化学物質が放出されるのではないか。
3.観測における無意識的選別
「無意識的に」水に「ありがとう」などの言葉を話しかけるときれいな氷の結晶が
出来るという思い込みから、きれいな結晶を選別して観測している場合が
ありえると考えられる。こういう思い込みから意外と人間は逃れられない。
4.水情報伝達仮説
水がもしそのような何らかの情報を伝達されたとき形態を変化させるのであれば
何らかの方法で水の中でシグナルの伝達を行っていなければならないはずだ。
水分子間かあるいは他の分子を介するのかは知らないが、とにかく情報伝達が
行われなければ有意な変化が起きないのではないか?
5.音波の周波数による物理的な影響
「ありがとう」という言葉の振動が水分子に伝わることにより、
水分子の性質に物理的な影響が及んだ。
(この解釈他所でも言っている人いたね)
さて、さまざまな解釈をしてみたが、実際のところ氷の結晶をきれいに
形成する方法については1936年に北海道大学の中谷宇吉郎教授らがウサギの
毛を使って初めて行っているんだよな。
(ウサギの毛に瘤のような構造があり、そこを核として結晶が形成される)
この実験が何のために行われたかというと、人工雪形成のためである。
結晶の形は温度や湿度によって変化する。
温度や湿度、空気の流れが不安定なら結晶だって不安定な状態になる。
安定した状態である程度の湿度が供給されることが結晶の成長条件だろう。
水にありがとうといったかどうかについては一言も触れられていないが
実際問題それ以上に中谷先生の残した言葉の方が私には大きく感じられる。
「雪は天から送られた手紙である」
いくら結晶をきれいに作る解釈行おうが、人間がいようがいまいが、
雪は天から舞い降りる。美しい結晶もその中にある。
人間がありがとうといおうが言うまいが、大自然からしたらそれは一体
どの程度のことだといえる?
まぁ解釈のやりようで人間自身も天然自然のまた一部であるということも
いえるのだけれども、それとて大自然に比べりゃなんと無力なことか。
さて、上にいろんな解釈を上げてみたのだが、へんな言い方だが、
「水に何も影響を与えない状態で氷を形成したらどうなるのか?」
おそらく…だがよりきれいな結晶が出来るだけなんじゃないか?
人間なんて不純物混ざらないんだし、物理的な影響からも回避される。
いくつかの化学物質は自然界でもある程度存在するからあってもいいかも
しれないが、結晶形成の際には邪魔になりそうに思える。
水が信号を伝えるってどんなのよ?確かに音波も光も電流も伝わるけど、
それに水が反応するって、それなんて「ほの暗い水の底から」?
ほとんどホラーですよ。怖いですねぇ、恐ろしいですねぇ。
となると後残ってる解釈は量子力学的解釈と無意識的選別か。
量子力学的解釈についてはあるともないともいいきれないけど…それでも
やっぱり一般的な物理的影響の方がでかいと思うのだがどうだろう。
無意識的選別から逃れるには機械的観測でも行うほかなかろう。
そうなるとおそらく…有意差なくなるんじゃないのかなぁ。
ていうかここまで必死に肯定的解釈しようとする俺ってある意味馬鹿だな。
菊池先生、結局肯定的解釈できません。
あとやっぱり雪の結晶の研究についてみんなにもうちょっとだけ知ってもらいたいです。
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